2016年4月27日水曜日

三引両


三引両

両は日月を意味し、両は竜の転化したもの

  答 「日本紋章学」(沼田頼輔)では、引両について次のように述べています。
       『引両
        引両紋は引龍・引輌・引料あるいは引両筋とも書く、その用字の一定していないようにその解
        説もまた一定していない。
         「蒼梧随筆」〔大塚蒼梧。寛政 12。〕「反古染」
          (○に一)古字如此を日と申文字也
          (○に二)古字如此を月と申文字也


両・二引両の外囲に囲みを用いるようなことは近世のことであるからたとえ今日その形象が
 日月の文字に似ているとしても、これをもって日月の精霊になぞらえるようなことは当を得た
 ことではない。
       引両紋は、もと幕の文様であったのが転じて家紋となったものである。』
     以上によって、お尋ねの第 1 点『引両は日月を意味』するものでないことが明確になります。まして、竪三引両〓に至っては、全く日月などとは関係のないものであります。また、第 2 点の『両は
     竜の転化』したものではなく、両と竜とは音も意味も違う全くの別字であります。故に『引両は日
     月を意味し、両は竜の転化したもの』の部分は、不必要なものとして削除すべきものであります。
       なお、「市政のしおり」の説明文は、「仙台事物起原考」(菊地勝之助。昭和 39。同様の記述は同氏の「名数みやぎ郷土小事典」(昭和 48)にもある。) からその侭採った跡があり、誤りの責任
     はこの書にあるようです。『朝宗が頼朝より幕の紋横画徽章を賜ったが、この横面をさけて竪画、即ち竪引両として使用することになったという。元来引両には一引両とか二引両の別があり、日月を意味し両は竜の転化したもので、伊達家は三引両に改め、竹に雀よりも古い時代から使用したようである。この三引両は建築に応用され、仙台城内の書院、城門櫓の巴瓦、社寺の建築瓦等に見られる。現在の仙台市の紋章はこの三引両から考案されたものである。』尤もらしいこじつけ、不用意な誤解が、このような誤まりを伝えるものとなったようです。








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